自分と自然との距離

今の暮らしを始めてから、
自分と自然との距離が驚くほど近くなった。

これまで住んできた地が
どこも周りに緑があったせいか、
都市より郊外の方が落ち着く
という性分はあるけれど、
これまではただ単にあるというだけで、
それらと暮らしが直接関わることは
特に何もなかった。

今や、住でも食でも、
水と土と火と風と光が
自分に身近なものとして感じられる。

でもそれらの様々は、
目指して実現したことでもなく
ほぼ全て成り行きによるもの。

本来、エコとかロハスとか
そういう類の言葉はあまり好きじゃないし、
「地球に優しく」と聞くたびに
なんて傲慢な言葉だろうと思う。

CO2排出も生態系も
知識としてはなんとなく知っていても
正直、実感として身についてはいない。

でも、樹木について詳しくなったり、
毎日のように庭の草木や土に触れたり、
全国各地の湧水を汲んで飲んだり、
旬の野菜や魚介類と食として関わったり
以前とは比べものにならないほど
自然が身近になっている日々の中で、
それらへの大切さや愛しさも
確実に大きく深くなっている。

環境問題が騒がれて長いこと経つが、
実は自然と人間の距離の遠さが
根底にあるような気がしている。

どこかから発信される情報や理屈で
知識は年々増大してきているものの、
大地と空気と水と生き物たちと
自らの暮らしとの直接的な関わりは
世の中が便利になるにつれ減り続け、
実感としてのありがたさは
どこか遠くに置き去りになっていて、
その矛盾をごまかすために
正しいことしてる空気感で
取り繕っているような感じさえする。

その距離が今より縮まることが
次の展開には必要な気がする。
本当に大切だと思える気持ちは
そこから生まれるんじゃないかと。

おそらく今後も、
自分の暮らしはよりそっち方向に
進んで行くだろう。