PDCA

PDCAサイクルという言葉を
耳にするようになったのは、随分と前のこと。

そしてそれから間も無く自分も
そのサイクルの真っ只中で
日々を過ごすようになって随分経っていた。

この仕組みは本来、
改善のサイクルでありながら、
制作する側にとっては受注を継続的に生み続ける
ありがたいサイクルでもあるわけで
その仕組みを考えた人は天才だと思う。

しかしその反面、
制作物は全てサイクルの流れの中で
常に検証と改善を必要とする、
いわば使い捨てされる前提のテスト素材としての役割を担って
ひたすら消費され続ける運命を
登場した時点から背負うことになる。

そんな流れの中で、
長きに渡って使用される前提の
シンボルとなるものに携わる機会が
身近な所からポツポツと起こり始めた。

20年、50年、100年、
どれぐらい先の未来まで
そのデザインが使われ続けるのか
想像もつかないけれど、
使われ続ける年数の分だけ
デザインとしての役割を背負い続けることは確かで、
今だけじゃないその先を想像しながら
あり続けるべき姿の最善を探り
定着していく責任を負う作業でもある。

使われ続けるものは残るもの。
それらのデザインに携わりながら、
作ったものが残っている未来は
自分にとって望ましい未来だと思った。

めまぐるしく消費される世の中で、
モノとヒトとの想いを年月とともに積み重ねつつ、
残っていくことへの幸せ。
いまこの瞬間に役立つだけでなく、
この先も続いていくことに意味を持つもの。
それは瞬間をずっと紡ぎ続けることでもある。

何年も前に自分が作ったデザインを
「あれは本当にいい」と、
会うたびに言ってくれる人がいて、
今なお使われ続けているものがある。
それもひとつやふたつではない。
心からありがたいと思う。

そういうものに
ひとつでも多く携わっていこう。